ばぁちゃんと巾着袋
”巾着袋” を 作るたびに
母方の祖母を思い出します・・・。
ばぁちゃんは、よく ”巾着袋” を作っていました・・・。
黙々と地味な色目の ”巾着袋” を作っていました・・・
(着物のはし切れ)
母親の様子を見に来た 娘たちは
「 またか・・・ 」 というような少しあきれ顔で
クスクス笑っていました 。
幼かった私は
なんで? 笑うのかな・・・? って思った・・・。
背中を丸めて、ひたすら
”巾着袋” を縫うばぁちゃんの姿は
とても ほのぼのとして
わたしは なんだか 好きでした・・・・。
誰かに頼まれたわけでもなく・・・・
誰かの為に作るわけでもなく・・・
お金になるわけでもなし・・・・・
きっと、 何もしないことが 嫌だったんだと思う
”巾着袋” を縫うことに
夢中になれたんだと思う・・・。
縫物をする母親の姿を見るたび
娘たちは 健康であることに
安心したんやろうな・・。
”巾着袋” は ばぁちゃんの訓え
ばぁちゃんは あの世でも
”巾着袋” 作っているかもしれない・・・・。
おぉ~い ばぁちゃん !
「 何? しとるぅ~? 」
※
お葬式があったから
思い出しちゃった
おわり